- 先輩に言葉使いを注意された。でも、何がいけなかったのかわからない…。
- 自分は普通に接していたつもりなのに、利用者から激怒された。なんでだろ?
このような悩みに答えます。
介護職として働いていると、無意識に利用者に対して、タメ口で話してしまった経験が誰でもあるハズ。
その際によく聞くのが、
- 利用者は目上の方なんだから敬語を使うべき!
- 利用者にあだ名を使うなんて持ってのほか!
などの意見ですよね。
確かに敬意は払うべきだなぁと、僕も思います。
しかし、僕は実際に介護職として働いていて
タメ口やあだ名以上に失礼になっていたり、利用者を傷つけてしまっている場合が介護職には往々にしてあると思っています。
本記事では、実際に働いていてよく聞く『介護職が使ってはいけない言葉5選』を紹介します。
僕は介護職として働いて7年目になりますが、本当によく聞く言葉ですし
実際にその言葉使いをしてしまっている介護職に対して、注意もしてきました。
なので本記事を読めば、
『あ、こんな言葉使いをしてたかも』、『気づかないうちに、利用者を嫌な気持ちにさせてしまっていたかもしれないな』と、気づくことが出来ますよ。
よろしければ、参考にしてみてくださいね。
前提として
本題に入る前に、前提として理解しなくてはいけないのが言ってはいけない言葉に共通するのが、『否定』ということ。
『否定』は、それが利用者と介護職の関係でなく、例え友達同士であっても関係性にヒビを入れる原因になります。
誰だって『否定』されて、いい気分にはなりませんよね…。
また、認知症の利用者にとっては、認知症の状態を悪化させる原因にもなりかねるので、要注意。
下記より紹介する『使いがちな言葉』を使っていなくても、利用者を『否定』するような言葉使いは、避けるのがベストです。
介護職が使ってはいけない言葉5選【あなたの言葉使いは大丈夫?】
もしかしたら、あなたも使ってしまっているかもしれない、言ってはいけない言葉は以下の通り。
- さっき自分で言ってたよね
- どうせ出来ないでしょ
- やっちゃダメだってば
- いい加減にしてよ
- ちょっと待っててください
この5つですね。
下記より深掘りしていきますね。
言ってはいけない言葉①さっき自分で言ってたよね
さっき自分で言ってたよね、は本当によく聞かれる言葉です。
この言葉は、利用者のプライドを酷く傷つけてしまいます。
なぜなら『本人の気持ち』を否定することになるから。
例えるならば、友達に伝えたいことがあった時に
と、言われるのを想像してみてください…悲しくないですかね。僕ならツライ…。
同じ話を何回聞いたとしても
利用者をツライ気持ちにさせないために、『そうなんですね』と肯定して、相手に寄り添った言葉をかけていきましょう。
言ってはいけない言葉②どうせ出来ないでしょ
『どうせ出来ない』という言葉は、本人のやる気を全否定するような言葉です。
利用者からしたら、『私なんて必要ないんだ』と、自己を否定するような気持ちになってしまいます。
僕が実際に働いていた時にも、
こんな場面があり、案の定、全否定されてしまった利用者は、その日精神的に不安定になってしまいました。
このような場面では、本人のやる気を全否定せずに『ありがとうございます、気持ちだけもらっておきますね』など、しっかりと利用者の気持ちを汲みましょう。
もちろんやってもらってもOK。
しかし、身体的に難しい利用者の場合は、どのように工夫したら出来るようになるかを、スタッフ同士で話し合いましょう。
言ってはいけない言葉③やっちゃダメだってば
ご存知の通り、認知症の利用者は同じ行動を繰り返してしまいます。
ですがそのような利用者に対し、この言葉を言ってしまうと
『何もやらせてもらえない』『じゃあ何をしたらいいんだろう』と、利用者を不安にさせてしまいます。
常に利用者からしたら今が初めてな状況かもしれない
ということを、念頭において接しましょう。
常に利用者目線を心がけていくと、ちょっとずつですが、利用者との間にも信頼関係が生まれてきますよ。
言ってはいけない言葉④いい加減にしてよ
利用者が失敗してしまったり、何回伝えても同じことをしてしまった時に
『いい加減にしてよ』と、イライラしてついつい言ってしまっていませんかね。
働いていると、確かにそう思う気持ちを抱いてしまう気持ちもわかります。
しかし、厳しいかもですが本人のミスを非難していても何も生まれません。
なので、オススメは
- なぜこの行動をしてしまうのだろう?
- どうして失敗してしまうんだろう?
と、その原因を分解して考え、改善すること。
そうすることで利用者もよりよく生活でき、自分(介護職)もイライラすることもないのでWIN-WINです。
言ってはいけない言葉⑤ちょっと待っててください
一番言ってしまいがちな言葉かなと。特にユニットケアなど、一人で対応を求められる施設では尚更聞く言葉ですね。
言ってはいけない言葉①〜④と比べると
『ちょっと待ってください』、というのは否定的な言葉ではありません。
しかし、利用者を拘束してしまう言葉なんですね。
というのも、
- そこで動かずにちょっと待っててください
- 今手が離せないから、ちょっと座って待っててください
と言われたら、その利用者は
その間、何も出来なくなってしまいます。
これも一種の身体拘束にあたり、『スピーチロック』と、呼ばれていたりしていますね。
とはいえ、現場で働いていると物理的に無理な状況に陥ることも多々あります。
なのでそういった際には『Aさんに呼ばれているので、その後に向かいますね。』など『待ってもらう理由』を説明し対応しましょう。
そうすることで、利用者の納得度も違いますし、どのくらい待てばいいのかが明確になるので、利用者は安心すると思います。
以上が、介護職が使ってはいけない言葉5選ですね。
恐らく既に介護職として働いている方は、日常的に聞いてしまい、違和感がなくなっているかもしれません。
しかし、否定的な言葉は、酷く利用者を傷つけてしまいます。
そのことを再び念頭に起き、言葉を発する前に、一回飲み込んで相手がどう感じるかを考えていきましょう。
言ってはいけない言葉を使ってしまう原因
しかし、ここで介護職は何をされても否定するな、我慢しろ!というのは、些か乱暴な結論だなぁと感じます。
もちろん言葉使いや、丁寧の対応は求められますし、しなくてはなりません。
しかし、介護職とて人間。業務に追われて焦っていると、感情的に普段と違う言葉を言ってしまうこともあると思います。
では、なぜそのような言葉使いになってしまうのか?僕は以下の3つが原因かと。
- 人員不足
- 現状への不満
- 私生活のストレス
上記の通り。
順に解説していきますね。
原因①人員不足
余裕がなくなると、攻撃的になってしまうというのは誰しもが共通する部分です。
話は少しズレますが
実は攻撃性の研究は、心理学の分野でも研究されていたりしますね。
2012年にFinkel et al.の論文によると、
攻撃的になるのは、行動や言動を抑えるための心の余裕がないことが原因であると証明されています。
つまり、逆を返せば心理的に余裕があれば人は攻撃的にならないということ。
僕は、介護職が心理的に余裕がなくなる原因の多くは、人員不足によってやらなくてはいけない業務が多すぎることだと感じています。
介護職の人員不足は深刻な問題でして、この記事でも書いています。
➡︎介護業界の人手不足の理由と対策とは?『これからの未来』
人員不足は、介護職を攻撃的にするだけでなく、離職の原因にもなります。
余裕のある対応をするためにも、介護職の増員は必要不可欠といえますね。
原因②現状への不満
現状、つまり施設や環境に対しての不満が、言葉使いや態度に出てしまっている介護職もいます。
恐らく、そのような介護職の心情は
- 給料が低いからやる気が出ない
- 人間関係が悪くてそれどころではない
- 上司が意見を言っても反映してくれない
だと思います。
とはいえ、現場の不満を、全て解決するのはかなり難しいですよね。
僕も現状への不満が態度に出てしまった経験があります。しかしそこで学んだ事は、イライラして消耗し続ける未来なら、もう逃げようという事。
自分が自分でコントロール出来なくなってしまうような施設ならば、僕はそこから逃げてOKだと考えています。
自分に余裕がなくなっているな、と感じている方は自分が何に対して
強く不満を抱いているか、を明瞭にしておきましょう。
何に対して不満を抱いているかわからない!でもとにかく辞めたい気がする…と言った方は、下記記事を参考にしてみてくださいね。
➡︎介護職を辞めたい6つの理由【実体験】
原因③私生活へのストレス
私生活へのストレスは、特に精神的に不安定になり、言葉使いや態度に現れます。
また、介護職は女性が多く、子育ても同時にやっていらっしゃる方がかなり多くいますね。
僕は男ですが、ぶっちゃけ仕事と、家事と育児の両立は本ッッッ当に厳しいなと、常々感じています。
今は子育てなどの、私生活への負担をサポートしてくれるような職場もあります。
もしも育児や家庭のサポートなどに優しくない職場ならば、自分が限界を迎える前に離れるべきですね。
また、人によってはストレス発散が難しく、うつ病になってしまう方もいます。
➡︎介護はうつ病になりやすい仕事?理由を現役介護福祉士が解説。
ストレスが溜まりすぎると正常な判断が出来なくなるのは必然。
一人で抱え込まず、友人や知人、職場の同僚などに都度都度、相談していきましょう。
まとめ
マザーテレサが言った言葉として
思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。
という言葉があります。
つまり、攻撃的な言葉を発していたら、攻撃的な性格になっていくという事。
この言葉が本質かなと思います。
キツイ言葉を使う人って、もう性格がキツイイメージですよね。
そうならないためにも、日々の言動に気をつけていきましょう。
もし、自分でコントロールが効かないようなら、本記事を参考にしてだき、原因を追求して改善することをオススメします。
今回は以上になります。
ここまで読んでくださり、ありがとうございましたm(_ _)m