- ユニット型の特養で働いてみたい
- 従来型との違いは何?
このような疑問に答えます。
ユニット型特養は2016年の時点で、全体の40%ほど。
さらに最近は、需要に伴って施設が次々と建ち、今もなおその数は増え続けています。
そんな、ほぼ主流になったユニット型について本記事は書いています。
✔️本記事を読んで欲しい方
- ユニット型施設が、どういうものかわからない
- ユニット型施設に勤めてみたい
- 従来型の特養との違いがわからない
本記事を読めば、ユニット型の特別養護老人ホーム(特養)で働くメリット、デメリットがわかります。
メリット・デメリットを理解して、自分に向いているか否かの参考にしてくれると嬉しいです。
僕は現役の介護福祉士として働いて7年目になります。Twitterかまたり(@kamatarikun)
詳しくプロフィールへ。
ユニット型がどういうものかは知ってるよ〜!という方は目次からユニット型特養で働く際のメリットへ飛んでOKです〜。
従来型特養との違いは?
ユニット型と従来型の違いは
結論:プライバシーが守られているかどうかの違いだけです。
理由は従来型の施設で問題視されていた、
『プライバシーが守られていない』という問題解決の為に出来たのが、ユニット型の施設だから。
というのも、従来型の施設では大人数の職員で、大人数の利用者をケアしていた為
入浴介助の際には、集団で更衣から入浴までレーン作業のように、介助していたこともしばしばでした。
ですが、ユニットケアでは少人数の職員で少人数の利用者を介助するので
レーン作業のようなことは起きません。一人ひとり更衣から入浴まで行います。
こうして従来型では行うことが難しかった
個人の尊厳を守ることを重視した形がユニット型というワケです。
なので特別養護老人ホームとしてわかりやすくすると
- 集団ケア(従来型)=効率重視
- 個別ケア(ユニット型)=尊厳重視
という感じ。
職員の体制や、提供されるサービスに従来型とユニット型の大きな違いはない、という認識でOK。
業務も従来型の特養と基本同じ
ユニット型の業務の流れも、従来型の特養と同じです。
軽くまとめると
- 食事
- 入浴
- 排せつ
- 健康管理
- リハビリ
- レクリエーション
ですね。
追加で言うなら、生活スペースの清掃や看取りも行う施設もあります。
ですがそれは施設によって業者が行ったり、対応が違うので
業務内容は事前に確認しておくことがベストですね。
従来型は多床室、ユニット型は個室
基本的に従来型は多床室(4人部屋)ですが、ユニット型施設は全員が個室になります。
大まかに従来型だと、100人の利用者を多床室で見るとなると100÷4で25部屋ですが、
ユニット型だと、全て個室なので100部屋になります。
それを10ユニットに分けて、1個の施設としているというワケですね。
病院に入院した人はわかるかもですが、本当に多床室って疲れるんですよね。
隣の人の寝息が気になって寝れなかったり、自分の行動が周りに迷惑をかけてないかとか気になったり。
そういった気苦労がユニット型にはないので、利用者も気持ちよく生活できますね。
ユニット型特養で働く際のメリット
ユニット型の特別養護老人ホーム(特養)で働くメリットはこちら。
ユニット型特養のメリット
- 個人を重視したケアが行える
- 自分のペースで業務をこなせる
- 技術が身につきやすい
順に説明していきますね。
個人を重視したケアが行える
前述しましたが、個人を重視したケアというのはユニット型施設の根幹の部分です。
例えば、僕も経験しましたが、従来型の特養だと業務に追われて、
利用者と、コミュニケーションの時間が取れないことが多め。
コミュニケーションが取れないと、利用者の普段の状態がわかりにくくなってしまい、
- この人は何がしたいのか?
- 何を介護職にして欲しいのか?
など、利用者が『個人』で考えていることが把握しにくいです。
その為、従来型では個人があまり重視されることはありませんでした。
また、あまりに業務に追われると、効率を考えて身体拘束を行ってしまう施設も。
その経験を元にした記事がこちら➡︎介護現場における身体拘束をしてしまう原因とは?
ユニット型施設ではそのような効率化重視の介護は行いません。
なので個別ケアが行えることによって、『自分のしたい介護』を行うことができます。
自分のペースで業務をこなせる
ユニット型施設は、『少人数の職員で少人数の利用者』を介護する施設。
なので、基本的に業務は一人になります。
参考までに、ユニット型特養の勤務時間は
✔️三交代制勤務の例
- 早番:7時〜16時
- 日勤:9時〜18時
- 遅勤:13時〜22時
- 夜勤:22時〜7時
こんな感じ。
多少の勤務時間が被る時はありますが
その時間は他の職員は入浴介助へ、といった感じなので
基本的な業務は一人で行います。
その為、周りの職員に急かされることなく業務を自分のペースで行えることができます。
介護現場ではよく
と、焦ってしまうことがあります。
そうすると、自分のしたい介護や利用者への対応が出来ないことがあります。
現在の施設で人間関係に悩んだ経験のある方や、自分のしたい介護が出来ていない方にオススメですね。
技術が身につきやすい
ユニット型の施設で技術が身につくのは、一人で全て行わなくてはいけないからです。
排泄介助や、食事介助などの介助を基本的に一人で行わなくてはいけないので、自ずと基礎的なスキルが上がっていく形になります。
僕の知り合いは、無資格でもユニット型の施設で2年ほど働き
他の施設へ転職した際に、手際の良さや個人を重視した介助に驚かれ、めちゃくちゃ評価されたそうです。
ただし、これは稀な例で、正直介護技術というよりは一人で全て行う際の時間管理の面で成長が見込めます。
一人で行うということは、指導してくれる先輩など、学ぶ場所も少ないためですね。
しかし、行う介護の優先順位や、無駄のない思考を育むのにはユニット型は最適。
なので、介護が未経験の方より、経験者向けの施設になります。
ユニット型特養で働くのにオススメな人
まとめると、
- もっと技術を向上したい方
- 自分のペースで利用者と関わっていきたい方
- 従来型の施設のやり方に疑問を持っている方
など、上記の方にオススメ。
特に、『こんな介護がしたい!』と思っている方には合っていると思います。
なので繰り返しになりますが個人的に未経験者よりも、介護施設で働いた経験がある方のほうがいいかと。
しかし、そんなメリットが多く存在するユニット型ですが、やはりデメリットはあります。
ユニット型特養で働く際のデメリット
ユニット型特養で働くデメリットはこちら。
- 残業が多い可能性がある
- イレギュラーが起きた時に不安
- 業務の改善が難しい
上記の通り。解説していきますね。
残業が多い可能性がある
残業が多い可能性がある、というのはどこの施設でも同じかもしれません。
ですが、僕はユニット型特養は特に多いのではないか、と考えています。
なぜなら、人員不足に陥っている場合がほとんどだから。
基本的にユニット型の職員の配置基準は、「常勤換算方法で3:1以上の介護職員又は看護職員を配置」となっています。
つまり、利用者の定員が100人であれば、施設全体で最低33人以上の介護職員または看護職員の雇用が必要。
100人の利用者を、
10ユニット✖️利用者10人で分けると
1ユニット3人以上の常勤職員が必要というワケ。
ですが、よくよく考えてみると、夜勤の職員を入れるとこうなります。
- 早番:1人
- 日勤:1人
- 遅番:1人
- 夜勤:1人
あれ?合計4人必要じゃね?
そうなんです。さらにココに公休も計算に入れると、どうみても足りません。
こういった最低限の人員で、ユニットを行っている施設も多く存在します。
このようなユニット型施設の場合は、まず日勤を確保できません。
日勤が行えない部分の業務を早勤or遅勤でカバーしなくてはいけないので必然的に残業が求められます。
これが残業が多い理由になります。ユニット型施設へ転職する際の注意点ですね。
人員不足の施設を選ぶと、必然的に穴埋めを残業で補おうとするので、
家庭の事情で『残業は厳しい』という方は派遣社員で働くべきですね。
派遣社員は、基本的に残業はしないので。
他にも理由はありますがそれはこの記事で解説しているので参考にどうぞ〜➡︎【介護】パートより派遣社員の方が良い理由を比較してみた
イレギュラーが起きた時に不安
イレギュラー、つまり利用者の介護事故や急変などですね。
従来型同様、看護師は10時〜19時にはいますが夜間帯にはオンコールのみの対応です。
オンコールとは?
看護師の勤務体制の1つ。
緊急時には職場に向かって業務につけるように、看護師を待機させておくという勤務体制です。
とはいえ介護施設では出勤義務はないので、介護職へ指示のみを出す場合もアリ。
つまり夜間では、利用者の急変時に看護師が出勤するまで指示通りに動いたり、自己判断すべき時があるということ。
そうした際には、必然的に1人での対応が求められてしまいます。
正直な話、緊急時には頭ではわかってはいても、いざという時に頭が真っ白になってしまうことも多くあります。
僕も前施設で経験しましたが、先輩が慌ただしく動いているのを邪魔しないようにすることしかできませんでした。
なので『1人だと何があるかわからないから怖い!』という方にはあまり向いていないです。
ですが、利用者の急変を経験したり、介護事故の対処などを経験すると
介護職としては技術も精神力も上がります。
ユニット型施設での経験は、対応力を身に付けられるとも言えますね。
業務の改善が難しい
ユニットケアは、他の施設と比べかなり業務改善が難しいです。
なぜなら、個人の問題が全体の問題とは限らないから。
具体的には
- 入浴がどうしても勤務時間内に終わらない
- 人が少なく、休憩時間が確保出来ないので、残業する
などの問題が個人的な問題として捉えられるケースがあります。
先日、僕はこんなツイートをしました。
介護職は残業多め、なイメージだけど残業って人によって受け取り方が違いますよね🤔
・単純に働きたくない
・給料増えるしラッキーだったり。
ちなみに僕は働きたくないので、転職する時とかは残業あるかないかのチェックは入念です🤷♂️— かまたり※まつ毛はこんなに長くない (@kamatarikun) July 3, 2020
このツイートの通り、残業が『お金が増えるからラッキー』と思う人もいます。
なので、これを全体の問題へ→意見のすり合わせ→解決までとなると、それなりの労力と時間が必要というワケ。
ただでさえ介護現場の業務改善は難しいですが、ユニット型の施設は特に難しいと言えますね。
業務改善については、この記事でも書いています➡︎介護現場における業務改善のやり方は?現役介護福祉士が詳しく解説!
デメリット:まとめ
ユニット型特養働く際のデメリットをまとめると、
- 一人で業務を行うが故の不安はある
- 残業が多い可能性もあるので、苦手な方は派遣がオススメ
- 業務を改善しようにもスピード解決は難しい
こんな感じです。
という方は
こちらの転職エージェントの記事で探してみてください➡︎『2020年最新版』現役の介護福祉士が選ぶ転職エージェント3つを比較!(全て無料)
正社員でも給料面が充実していて、残業がしたくないという希望を伝えれば
希望に沿った転職先を、手広く探してくれるのでオススメです。
まとめ
ユニット型の施設のメリット・デメリットは理解していただけたかと思います。
冒頭にも言いましたが、ユニット型の施設は今も増え続けています。
なので、オープンスタッフとして1から初めてみるのもアリですね。
ちなみに残業が多い可能性があるの部分で人員不足に触れましたが
常勤:4名に非常勤:1名いれば人員的には充分なので、残業しないためにも覚えておくといいカモです〜。
ぶっちゃけ、ユニット型特養は大変な部分も多いですが
それでも『自分の理想とする介護』がしやすい形です。
利用者も介護職もお互い気持ちよく生活できるユニット型施設が、これからも増えればいいなと個人的に思います。
ではまたこの辺で!
ここまで読んでくださりありがとうございましたm(_ _)m