このような悩みを抱える、女性介護職員に答えます。
僕は現役の介護福祉士として働いて7年目になります。
Twitterかまたり(@kamatarikun)
介護現場では
『あの利用者に胸を触られた。』
『〇〇さん、女性職員のことすごくいやらしい目で見てるよね。』
といった声をよく耳にします。
声を聞くだけでなく男性利用者が女性職員のお尻を触ってしまったり、布団に連れ込もうとしてしまっているところも実際に見たこともあります。
もちろん速攻止めましたが…。
本記事ではそのような利用者からの介護職員へのセクハラ行為について説明していきます。
またセクハラを受けた場合どうすればいいのか?という対処法も後半に書いているので
現在セクハラを受けて困っている方はそちらからお読みください。
早速本題に移りますね。
介護職員への利用者のセクハラ行為について
利用者からのセクハラは女性介護職員なら一回はされてしまったことはあるんじゃないでしょうか?
当然ですがセクハラは決して許されていい行為ではありません。
2019年2月26日に日本介護クラフトユニオン(NCCU)はご利用者・ご家族からのハラスメントに関するアンケート」において、74.2%の方が何らかの被害を受けてしまっている、と発表しました。
ではなぜこんなにも多くの利用者がセクハラをしてしまうのか?主な理由として挙げられているのは以下の二つです。
利用者がセクハラをしてしまう理由
- 認知症の周辺症状
- 承認欲求を満たすため
順に説明していきますね。
認知症の周辺症状
※周辺症状とは?
周辺症状には幻覚、妄想(物取られ妄想が典型的)、抑うつ、意欲低下などの精神症状と徘徊、興奮などの行動異常があり、最近ではBPSD(Behavior and Psychological Symptoms of Dementia)と呼ばれるようになっています。
この周辺症状によって判断力が低下してしまいセクハラをしてしまうということですね。
更に高次脳機能障害による弊害とも言われますね。
※高次脳機能障害とは?
脳卒中や交通事故などによる脳の損傷が原因で、脳の機能のうち、言語や記憶、注意、情緒といった認知機能に起こる障害を高次脳機能障害と言います。
参考元:健康長寿ネット
このように病気によって、人が変わったように異性に対してセクハラを行ってしまうと言われています。
承認欲求を満たすため
もう一つ考えられる理由は承認欲求を致すためにセクハラをしてしまっている場合です。
承認欲求とは誰かに認められたい、尊敬されたいという欲求です。
私たち介護者は一人ひとりに付きっきりになるのはどうしても難しいですよね。
そうすると構ってほしくて、もっと見てくれ!という風になってしまい、セクハラに走ってしまうわけです。
更に男性利用者は長年の間『男』として見られることがなくなってきますよね
なので男性としても見て欲しいという生理的欲求を満たすためセクハラ行為をしてしまうのだと考えられます。
この二つがよく利用者が介護者にセクハラをしてしまう主な理由だと言われています。
しかし理屈は分かるのですが、嫌なものは嫌ですよね。
他の記事でも言っていますが、介護は接客業です。
極端な例ですが、いきなりコンビニの店員さんに
と言われたところで許せないですよね。
普通に犯罪です。
セクハラは容認すべきことではないですし、受けた側が我慢しなきゃいけない道理もありません。
なのでセクハラを受けてしまった際の対処法を3つ紹介していきます。
セクハラを受けたときの3つの対処法とは
以下は実際の利用者からのセクハラを受けた介護職員の声になります。
それを所長に訴えると、「良い写真じゃないか」と。私がセクハラで悩んでる事を知ってるのに酷いと思いました。
そこは親子暮らしている利用者宅ですが親が介護を受けられ、実際の介護者は息子になります。
その息子が、後ろに立ち自分の股間を摺り寄せてきたり、帰るときには必ず玄関まで送るのです。
サービス中もイヤらしい視線感じました。
その事で自社のサービス提供責任者に相談したところ、
「自分で自分の身を守らないとならない、突然契約解除になると利用者さんが可哀想、息子さんが迫ってきたら上手く交わして!」等訳の分からないアドバイスを寄越します。上の人間に相談しても全然埒が明かないです。正直ノイローゼ気味になります。今は被害妄想呼ばわれです。
このような悩みが多数ありました。
ですが何より驚いたのが、
『嫌ならやめろよ』とか
『コミュニケーションの内でしょ』という声がちらほら見られたことでした。
…いや正気か?コイツら。
すいません、口が滑りました。
このように一部からは理解されなかったり、事態を軽く見られてしまうことがあるのも事実です。
そのような場合はどうしたらいいか、対処法を3つまとめました。以下の通りです。
- きちんとハッキリ止めるように伝える
- 状況をご家族に説明しご家族の協力を得る
- 上司に相談する
きちんとハッキリ止めるように伝える
『やめてください!』と強くハッキリ伝える、というのが一番手っ取り早い対処法になりますね。
ですがそんなにハッキリ伝えても、そう簡単にはやめてくれたら苦労しませんよね。。
なのでなるべくセクハラをされてしまう状況を作らないというのも有効な手ですね。
例えば二人きりになってしまう環境を作らないようにする、だったり
難しいようなら複数のヘルパーで対応することも職場内で改善していくようにしましょう。
状況をご家族に説明しご家族の協力を得る
更に、ご家族は自分の身内がそのような扱いをされていることに納得しないご家族もいます。
なのでまずは状況をご家族に把握してもらい協力を仰ぎます。
中には『ウチの人に限ってあり得ない!』という家族もいるのでその場合は物的証拠や、実際に見てもらうことも視野に入れるべきです。
上司に相談する
やはりセクハラの問題は自分一人での解決は難しいため、上司の了解を得ることも大切です。
ご家族の理解が得られない場合やセクハラの原因がご家族にある場合は、施設全体の問題にしないと対処できないため直属となる上司に頼りましょう。
あまりにも改善が見込めず、セクハラ行為が続くようなら協議を重ね、退所も検討してもらいましょう。
ですがこの場合に一つ問題があり上司が聞き入れてくれないケースがあります。
『病気だから仕方ないよ』など黙認されている場合が介護現場では多く見られます。
例えば厚生労働省では介護現場におけるハラスメントのアンケートをとっています。この画像は一部抜粋しています。
このように管理者が把握している数と実際の介護現場におけるセクハラの数が大きく違うのが分かりますよね。
この場合、上司がセクハラを黙認していることになります。
ですがそのような場合、部下に対しきちんとした対応をしないという上司のパワハラに該当する場合もあるので、この記事を読むとどうすればいいかが分かりますので参考にしてください。『介護職』上司からのパワハラに悩んでいる方へ
しっかりとし対応を施設側にも求めましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
セクハラは自分が自意識過剰と思われたくなくて、『セクハラを受けている』と周りに相談できない場合もあります。
しかし従業員が困っているのならばその問題は施設が全体で取り組むべき課題です。
もし今セクハラで悩んでいる場合は周りの方に相談をしてください。相談することは決して恥ずかしいことでも間違ったことでもありません。
この記事を読んで少しでも参考になれば幸いです。