このような疑問に答えます。
「ノーマライゼーション」という言葉はなんとなく知ってるけど、イマイチ理解できないという方は多いハズ。
しかし、ノーマライゼーションは福祉の基本理念とも呼ぶほど重要です。
というのも、介護福祉士取得のための国家試験に「人権と権利擁護の項目」で、過去20回以上も出題されているから。
本記事ではそんなノーマライゼーションを詳しく解説しています。
本記事を読めば、発祥や理念についても完ペキに理解することができますよ。
※あまり教科書のように書いても理解しにくいと思うので(僕がそうだった)、簡潔に説明していきますね〜。
【福祉の基本】ノーマライゼーションって何?【完ペキに理解】
ノーマライゼーションとは、障がいのある人たちを「一人の市民」として普通に生活できるように、社会の仕組みを変えていくこと。
簡単に書くと、健常者とか障がい者とか関係ナシにする為に環境を整え、皆で助け合って生活しようよという考え方ですね。
これがノーマライゼーションの理念であり、全てです。
ノーマライゼーションの発祥
ノーマライゼーションの考え方が生まれ、世間に認められたのは1959年でして、今から50年以上前。
世界で初めて「ノーマライゼーション」という言葉が用いられた「知的障害者福祉法」がデンマークで制定されたんですね。
そのことをキッカケに、1970年〜80年頃に日本でも認知されるようになりました。
生みの親:ニルス・エリク・バンクーミケルセン
ノーマライゼーションの考え方を作ったのは、ニルス・エリク・バンク−ミケルセンという方です。
大体、略してバンク・ミケルセンと呼ばれていますね。
この人なくして、ノーマライゼーションは生まれていません。
バンク・ミケルセンが暮らしていた当時のデンマークでは、知的障がい児が大型施設に隔離されていた時代でした。
障がいを持っているというだけで、自由に生活や暮らしができずに世間から、つまはじきにあっていたんですね。
それに疑問を覚えた、バンク・ミケルセンは「ノーマライゼーション」の考え方を政府へ提言。
後に「ノーマライゼーションの生みの親」と呼ばれるようになりました。
育ての親:ベンクト・ニィリエ
そして、実はノーマライゼーションを世界的に広げたのはバンク・ミケルセンではなく、ベンクト・ニィリエという人物。
ノーマライゼーションを研究していたスウェーデン人のニィリエは、1960年代以降、講演や論文を執筆し、ノーマライゼーションを世界に広めました。
そうして考え方を強く広めたニィリエはやがて、「ノーマライゼーションの育ての親」と呼ばれるようになります。
例えるなら農家はバンク・ミケルセン。八百屋がベンクト・ニィリエみたいなものですかね〜。
ノーマライゼーションの8つの原理
「ノーマライゼーションの育ての親」ニィリエは、人々がよりノーマライゼーションを理解出来るように、これを8つの原理に分けます。
それがこちら。
- 1日のノーマルなリズム
- 1週間のノーマルなリズム
- 1年間のノーマルなリズム
- ライフサイクルでのノーマルな発達的経験
- ノーマルな個人の尊厳と自己決定権
- その文化におけるノーマルな両性の形態すなわちセクシャリティと結婚の保障
- その社会におけるノーマルな経済的水準とそれを得る権利
- その地域におけるノーマルな環境水準
以上の8つの原理です。
彼が上記の通りに、原理を8つに整理し、アメリカに広めたことで、その後世界中に広まることになります。
なので、ベンクト・ニィリエは「ノーマライゼーションの育ての親」というワケ。
8つの原理を一つひとつ説明していくと
めちゃくちゃ長くなってしまうので簡潔にすると、
健常者がなにげな〜く過ごしている日常を細分化したら、この8つの項目に分けられており、
その生活を障がいが有ったとしても、十分に送れているか?という確認項目というワケですね。
ノーマライゼーションの具体例
とはいえ、8つの原理を説明されても、何が何だかワカリニクイ。
身近な具体例を紹介した方がわかりやすいかと思うので、下記にて説明します。
日常におけるノーマライゼーションの具体例①グループホーム
代表的な例が、施設の種類でして、グループホームになります。
グループホームは、基本的に少人数の共同作業にて、生活を送ります。
僕も一度施設を見学にいった事が有りますが、利用者がカンタンな内職を行っていました(細かくは忘れましたが、何かを縫う作業)
もちろん働きに伴った報酬もアリ。
もはや住み込みで働いている?って感じでした…。随分、従来の老人ホームとは異なっていますよね。
また、住み慣れた地域での生活が送れることが前提にあるので、よりノーマライゼーションの考え方に沿った施設の形態と言えますね。
こうした個人を尊重した考え方は、徐々に従来の介護施設でも取り入れられてきています。
日常におけるノーマライゼーションの具体例②障害者雇用促進法
また、ご存知の方も多いカモですが「障害者雇用促進法」もノーマライゼーションに当たります。
障害者雇用促進法は、障がいのある人を雇いやすいように、企業が障がいのある人を雇用した場合に国から補助金がでるなど、障がいのある人が就労しやすいように条件を作る法律です。
すなわち、障がい者雇用の安定を実現するには不可欠な法律なんですね。
この法律は企業が守るべき義務も決められ、企業内で不当な扱いを受けてしまう障がい者という事にもならないように、具体的に決めてあります。
こうした、障がい者も同じように働ける環境作りも、ノーマライゼーションの考えが基づいています。
ノーマライゼーションについてよくある疑問
これより下記は、ノーマライゼーションについてよくある疑問ですね。
バリアフリーとどう違うの?
結論から言うと、ノーマライゼーションとバリアフリーの違いは「目的」と「手段」の違いです。
ちょっとわかりにくいですよね、スミマセン…。
バリアフリーとは、障がいのある人や高齢者の生活の妨げになるモノを減らす、製品やシステムのこと。
例えば、駅前やトイレの前のスロープ、点字ブロックなどですね。
ノーマライゼーションの場合は、前述した通り、分け隔てない生活を送る社会を作ろうという目的になります。
生活しやすいように環境を整えて行こう
→ノーマライゼーション(目的)
実際にどう整える?車椅子でも生活しやすようにスロープにしよう!
→バリアフリー(手段)
と、いった感じですね。
ユニバーサルデザインとも違う
ちなみに、ユニバーサルデザインとも違います。
ユニバーサルデザインとは、国や文化、老若男女の違いや障がいの有無に関係なく、誰もが利用しやすいようにデザインされたものを指します。
一例ですが、よく見かける車椅子のマークもユニバーサルデザインの一つ。
車椅子のマークは誰でもわかるように工夫され、設計されていますよね。
コンビニの駐車場などにもあのマークがあり、誰でも公共施設を利用しやすくなっていますよね。
すなわち、バリアフリーと同様、ノーマライゼーションを実現する為の手段というワケです。
ノーマライゼーションは他にどのような場面で利用されているの?
ノーマライゼーションは、福祉の現場だけでなく様々な業界でも浸透してきています。
例えば、教育の場面でもそうですね。
今までは、障がいの有無によって、学ばせる場を区分していましたが、
ノーマライゼーションの考え方によって「インクルージョン教育」に変わってきました。
インクルージョン教育とは、すべての子どもには個性があるものと捉えて、子どもの個性に合わせながら教育すること。
そのため障がい児も、障がいのない子どもと同じクラスで同じ授業を受けます。
インクルージョン教育では、それによって子ども達の学びが広がると考えられています。
興味がある方は、ググってみると知見が広がるカモ。
【福祉の基礎】ノーマライゼーションについて:まとめ
ノーマライゼーションをまとめると、こんな感じ。
- 障がいの有無に関わらず、平等な生活ができる社会を作る考え方
- 「普通の生活」は、8つの原理で説明できる
- ノーマライゼーションは、様々な業界でも浸透し始めている
上記の通りですね。
僕はこの「全員が平等に生活できるように」と言う考え方はすごく共感しますし、素晴らしいことだと思います。
これからもどんどん生活しやすい環境になると心地よいですよね。
介護をする分野の問題としてこれからは超高齢化社会になるので、これからはこの考えがスタンダードになりそうです。
しかし、まだまだノーマライゼーションの考え方は、日本に浸透しきっているか?と言われると怪しいところ。
これからどんどんバリアフリーなどを社会が取り入れ、ノーマライゼーションの考え方が当たり前になればいいなぁ、と個人的に思います。
では、今回はこの辺で
ここまで読んでくださり、ありがとうございました〜!!