と悩まれている方に、心の整理の付け方を答えます。
現在、在宅で介護を行なっている方は、こう思ったことが少なからずあると思います。
僕自身も「介護」に携わっている身分でもあり、その様な気持ちを抱いてしまうことは十分理解できます。
なので今回の記事は身内の方へ介護を行っている方に対しての記事となります。
『身内』の介護で疲れてしまっている方へ 心の整理の付け方
僕は現役の介護福祉士として働いています。
「仕事」というカテゴリーにもかかわらず、「なんでこんなことやってんだろう?」と思ったことなんて、正直な話ざらにあります。
おそらくほぼ介護に携わっている人間はそうだと、個人的には思っています。
これより下の項目は今までの経験や数々の「介護」に携わってきた人達を見てきて感じた点を書いています。
身内の介護が辛かったら逃げていい
身内の介護に疲れ、今もなお悩んでいる方に最初に伝えるべき事は
疲れたら、逃げていいです。
理由は、僕は正直な話介護というものは本当に向いている人しかやり続けることしかできないと思います。
介護というものは基本的には、『尽くす行為』です。
仕事においてはそうではありませんが、身内においては労働における対価もありません。
なので人間というものは本能的に見返りを求めてしまうものなので、どうしても『介護』をやり続けるのはとても難しいことなのです。
僕が『介護』に悩んでいる方によく言っているのは逃げていいという事です。
身内の介護から逃げれない人は
とはいえ、家庭環境などによって『介護』から逃げることは難しい方もいらっしゃいます。僕がオススメなのは介護保険サービスを利用するですね。
介護保険がわからないよ!という方はこちらをお読みください。
介護保険を使うことによって、身内の介護にお困りの方は金銭面も配慮したサービスをうける事ができますので、ぜひ使ってください。
『身内の介護から逃げる』のが難しい場合はまず自分の時間を少しでも確保するということを意識してください。
そうすると、考える時間ができて少し生活にゆとりができると思います。
身内の介護を行うにあたっての技術面
身内の介護を行うにあたって精神面も多く問題になりますが、技術面においても悩む方もいらっしゃいます。
介護をするにあたり難しい場合は、初任者研修を受けることをオススメしています。
参考サイト様
初任者研修について
前提の知識があるとないとでは、向き合い方も違うためオススメしています。
しかし、多少なりともお金も少しかかってしまいますし、学習のため時間もかかってしまいますのでご自分の状況を鑑みて、受けてみてください。
『身内』よりまずは『自分』を
身内の介護を、日々行っている人に質問です。
「私がやらなくちゃ」「この人は私がいなくちゃダメなんだ」
と、強く思っていませんか?
僕は、少なくとも介護をやる人は、人を思いやることができ、責任感が強い人だと僕は思います。
ただ、責任感が強く真面目であるという事は一方で、自分で自分を追い込んでしまっている可能性も秘めています。
知らず知らずのうちに責任感が重荷になってしまってはいませんか?
責任感が強い方の例
例えば僕の、職場の同僚にこんな人がいました。
・Aさんは実の母と、妻の三人暮らし。
・母は認知症。徘徊を時折してしまう。
・母は脳卒中で運ばれた経験がある。身体的に不自由はなし。
・Aさんと妻は、共にシフト制の介護職
この方はとても真面目な方です。
母の為に、パートという立場を選び、職場も家の近くに限定し、何かあったらすぐ駆け付けられる様にしていました。
妻との入れ替わりで、母を見なくてはいけないので、妻が家に居れる時間があれば、隙間に他の仕事を入れるなどして、家庭を切り盛りしていました。
僕はその方と知り合って間もない方なのになんて真面目で献身的な人なんだろう、と思いました。
ただその方と同僚として働き始めて少し経った頃、あることが起きてしまいました。
母親が再び、脳卒中で倒れてしまったのです。
幸いすぐに病院に運ばれ大事には至らず、すぐに母親は退院したそうです。
しかしその人は、仕事を一週間ほど休みました。
そうして一週間休んだ後、久しぶりに出勤してきた彼は職場に退職届を出しました。
経緯を上司に聞いた僕は、当然驚きました。
母親が退院して落ち着いたら、今まで通り働くんだろうと思っていたからです。
後日、彼と話す機会があり、
そこで聞いた彼の退職届を出した理由は、
「母を見なくてはいけないから」
でした。
しかし、母親は脳卒中を起こしてしまいましたが、四肢に後遺症などはなく、以前と変わらない生活を送れていました。
介護保険などの存在も認知しそういったサービスを時折、利用していたのにも関わらず
彼の主張は「俺が見なくては」「俺が見ずに誰が母を見るんだ」
ということ。
彼は母親の為に、仕事をせず、収入がない状態で母親の介護をする事に決めたのです。
その後、彼と連絡はとっていませんが、今もなお、ずっと介護に向き合っているんだとしたら、やはり辛いのではないかと思います。
極端な例ですが、この様に責任感が強いということが悪いとは思いませんし、むしろいいことだと思います。
しかしその長所がこと、介護においては自分への刃になってしまうこともしばしばです。
このように自分で抱え込んでしまう方は多くいます。
何に悩んでいるかを考える
しかし、一回立ち止まってみてください。
「何に悩んでいるのか?」という事を
そうしたら必ず根幹の部分に、自分の責任感によって苦しめられている部分があるはずです。
介護が原因にしろなんにしろ、やりたいことに制限がかかってしまった場合に、人間はすごくストレスを感じてしまいます。
介護は昼夜問わずしなくてはならない為、介助者の制限がものすごく多いと思いです。
ストレスを感じてしまった結果、感情的になってしまっている人を、僕は何人も見たことがあります。
その感情のコントロールが出来なくなってしまった時に、連日のニュースで報道される様に、悲しい虐待や介護放棄と繋がりやすくなってしまうと思います。
介護保険などの保険を使って、デイサービスや施設サービスなどを受けてください
このサービスを使うにあたってなんの負目を感じることはありません。
とにかく一人で悩む時間を減らして、家族に相談できるならして、家族には相談しにくいなら、そういったコミュニティや施設を利用してください。
とにかく独りで考えすぎないことが重要です。
結論は
僕の結論は最初から言っている通り、やはり介護から逃げて、ということです
逃げると言うのは語弊があるかも知れません。
言い方を変えましょう。誰かに頼ってください
辛かったら、頼っていいんです。
今は日中に、施設へ預けることのできるサービスが充実しています。
そうしたサービスを利用して、できた時間で自分の自由な時間を作ってください。
人間は自由がないと視野が狭まります、そうすると攻撃的になってしまいます。
なので自分を守るためにも、少し介護から離れるというのが一番だと思います。
そうしたら、その隙間の時間に少しだけでもいい、介護をしているその人のことを思い浮かべてください。
そうしたらきっとあなたは、またその人と関わった時に少し優しくなれているはずです。
確かに家に帰ってきてまた介護をするのは大変かも知れません。
でも認知症になってしまった方でも、体がうまく動くなってしまった方でも、言葉をうまく使えなくなってしまった方でも、きっとあなたが苦しんでいる姿は見たくないと思います。
介護=辛い 介護=大変
このイメージが崩れることはないと思いますし、これからもそうだと思います。
しかし現在は、本当に多種多様なサービスが生まれています。
自分と向き合う時間を作るのもすごく大切な時間だと僕は思います。
今一度、その人とどう向き合うのか、どの距離感がお互いにとっていいのかを考えてみてください。
最後になりますが、きっとあなたと同じ悩みを抱えている方は多くいます。人間は必ず「老い」にぶつかります
あなたよりもっと大変な方もいるかも知れません。
でもそんなのは関係ないです
「あなた」と「その人」がどうあるべきかが重要です。
どうしても無理だと思ったら今はインターネットが普及し、スマホで誰とでも繋がれる時代です。同じ悩みを共有して愚痴を吐いてもいいと思います、僕はそれが悪いことだとは一切思いません
そうして家に帰った時、今日は愚痴を言い過ぎっちゃったなと、思ったのなら
笑顔でその人に返してあげてください。
そうしたらあなたは昨日よりもっと優しい方になっていると思います。