と、茶番はさておき。
介護報酬は、原則3年に一度の改定です。
前回の改定は2018年度で、0.54%の引き上げでした。
そして3年後の2021年度。
政府・与党は、介護報酬を0.7%程度引き上げる方向で最終調整に入りました。
またもやプラスの改定で、これは新型コロナによる影響も考えられますね。
- 新型コロナによるサービス利用率の低下
- 新型コロナによる感染対策費用
などなど。考えるだけでも介護事業者の経営を圧迫していることがわかりますよね_:(´ཀ`」 ∠):
なので、経営する側にはマイナス分も少し取り戻ますし、嬉しいニュースかも知れません。
しかし、介護職(従業員)にはあまりいいニュースとは言えないんです。
というのも、介護報酬=介護職の待遇、だからですね。
0.7%の引き上げ程度では、現段階の介護職の給料が改善されることはぶっちゃけありません。
本記事では、下記より詳しく「介護報酬」について書いています。
よろしければ、読んでいってくださいね〜。
介護報酬が0.7%引きあがる件【介護職の待遇は、改善しません】
そもそも介護報酬とはなんなのか?
介護報酬とは、介護サービスに対して支払われる費用のコトです。
簡単に説明すると、コンビニでおにぎりを買ったらお金を払いますよね、そんな感じです。
そして、おにぎりを100円から200円に値上げしたら、その分の売り上げがプラスになるのは当然。
もうおわかりかと思いますが、介護報酬の引き上げがおにぎりの「値上げ」に当たります。
つまり、サービスの対価として事業者に支払われる報酬が高ければ高いほど、経営は右肩上がりになるというコトですね。
その分、従業員の給料も比例して増えていきます。
しかし、それが0.7%程度の引き上げでは、現状からほぼ変わりません。
おにぎりが100円からの値上げはほぼないので、もちろん売り上げも変わらずというワケですな。
介護報酬の支払いの流れ

介護報酬の支払いの流れは、厚生労働省のHPにもありますが、上記の画像の通り。
なので介護報酬を引き上げると、その分サービス利用者の自己負担が増すことになります。
というのも、原則としてサービス費用の1割は、利用者から支払われるからですね。
残りの9割は保険者である、市町村に請求します。
わかりやすいので、おにぎりで例えると
おにぎり100円の場合
利用者負担:10円+市町村:90円
おにぎり200円の場合
利用者負担:20円+市町村:180円
という感じですね。
細かくはいろいろあるのですが、ザックリこんな感じのイメージでOK。
介護報酬の改定の5つの視点
介護報酬は、引き上げると40歳以上が支払う保険料も増えてしまう側面も。
なので、改定は国のエラーイ人が慎重に決めます。
そして改定の際には、介護に対する基本認識と、それに基づく基本視点が案として出されます。
今回の改定では5つの基本視点でした。それが以下の通り。
- 地域包括ケアシステムの推進
- 感染症や災害への対応力強化
- 質の高いサービス提供のための環境整備
- 総合的な人材確保と現場の革新
- 介護サービスの適正化・重点化
つまり、介護報酬を引き上げる目的は、上記の5つの条件を満たすために行うというコトですね。
介護報酬が0.7%引き上がってもあまり意味ナシ

再三になりますが、介護報酬が0.7%上がったぐらいでは、僕ら介護職の給料はほぼ変わりません。
ましてや、「改定の際の5つの視点」で解説した
総合的な人材確保と現場の革新
なんて、給料が変わらなければ、ちょっと難しいですよね…( ´Д`)y━・~~
しかもこの介護報酬の見直しがされるのは、3年後。つまり、2024年度になるまでは基本的に変わるコトはありません。
そうなった時に、どのようなリスクが懸念されるかというと、
- 今までの介護職が離職する可能性
- 人材不足により、ケアの質の低下
- 役職についている介護職の負担増加
上記の3つです。
ちょっと説明させてくださいね。
懸念①今までの介護職が離職する可能性
介護職の待遇が変わらないと、既存の介護職が「介護職」を辞めてしまう可能性が考えられます。
処遇改善手当てなどで、少しは給料体制が改善されたものの、やはり他の職種と比べるとまだまだ低い。
なので介護職は将来性がありますが、耐えきれず辞めてしまう人が出てきてしまう可能性が考えられるというワケです。
しかも今は、その業界の未経験者でもカンタンに転職できます。
なぜなら転職エージェントが充実しているから。
転職エージェントはスキマ時間でサクッと探せますし、条件を入力すれば好条件で他職種への転職が可能です。
時代の変化としてはかなり有益ですが、介護業界の発展として考えた時には、マイナスに働きそうですね…。
懸念②人材不足により、ケアの質の低下
そして、介護職の人材が不足すると、当然利用者への対応も疎かになってしまいます。
どれだけ利用者一人ひとりを尊重してケアを行おうとしても、人手が不足していたら行えるものも行えません。
2014年に問題になった「すき家のワンオペ問題」みたいな感じです。
利益を維持するために、深夜時間の営業を従業員1人に任せる(いわゆるワンオペ)など、過酷な労働環境が問題となりましたよね。
介護職もそれに近い状態になりそう…ヤダ怖い( ; ; )
そんな疲弊した状態で、利用者が満足いくケアを行える自信は、少なくとも僕にはありません…。
懸念③役職についている介護職の負担増加
そして、役職についている介護職の負担も増加します。
なぜならその人材不足を補おうと、外国人労働者が増えるからです。
もちろん一生懸命働いてくださる外国人労働者ですが、やはり不慣れな環境であるコトは間違いありません。
また、環境もさることながら言葉の壁もありますね。
何より「介護職」として働くためにも、しっかりと指導していかなくてはなりませんし…。
例えば、ユニット型特養なら、ユニットリーダーはかなり大変になると思います。
介護職一人の負担を増加させないような介護事業所の適切な判断が求められますね。
まとめ:介護報酬0.7%の引き上がる件

介護報酬が引き上がることで、利用者の負担がアップしてしまう等のデメリットは考えられます。
しかし、来るべき2025年問題もあるので、悠長なことは言ってられません。
2025年問題とは、いわゆる”団塊の世代”が後期高齢者(75歳)になり、様々な影響を及ぼすことが考えられる問題です。
認知症高齢者数もそれに伴い、約320万人にもなると推計されていますね。
そういった高齢者の急増に対応するべく、
介護報酬をより引き上げて、少しでも人材不足の改善を行った方が賢明なのでは…と、個人的には考えてしまいます。
頼むよお偉いさん…( i _ i )
介護職員の平均賃金も約21万、多くても23万円といったデータが明らかになっていますし、さらに介護業界に入ってくる人は少なくなりそうです…。
今後の日本の動きに、要注目ですね。
では、今回はこの辺で!
ココまで読んでくださり、ありがとうございました〜!