この様な悩みをお持ちの方に答えます。
僕は現役の介護福祉士として働いて7年目になります。
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この記事を読めば介護保険とはなんぞや?という分かりにくい細かい部分が分かります。
実際の対象となる方の条件や、介護保険によって受けられるサービスも説明していくので良ければ参考にしてください。
介護保険とは?
まず介護保険の説明をしていきますね。
結論から言うと、介護保険は介護が必要な方にその費用を補助してくれる保険です。
そのため注意しなくてはいけないのが直接的な現金はもらえないということです。
更に色々なサービスを受けるにあたり、原則1割の自己負担が必要です。ただ所得に応じて自己負担率が2割あるいは3割に上がってしまうケースもあるので注意してください。
介護保険を受けるためにいくつか条件があるので紹介します。
- 介護保険の対象である被保険者であるか否か
- 要介護認定によって要介護度が認定されているか
ですね。順に説明していきます。
介護保険の対象は?
基本的には介護保険制度における被保険者は、65歳以上の方(第一号被保険者)と40〜64歳までの方(第2号被保険者)に分けられます。
しかし40〜64歳までの方である第2号被保険者が保険適用で介護サービスを利用できるのは、特定疾病が原因で要介護状態となったときだけです。
特定疾病とは?
特定疾病とは、心身の病的加齢現象との医学的関係があると考えられる疾病であって次のいずれの要件をも満たすものについて総合的に勘案し、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因し要介護状態の原因である心身の障害を生じさせると認められる疾病。
そしてその基準とされる特定疾病はこちらですね。
- がん(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る。)
- 関節リウマチ
- 筋萎縮性側索硬化症
- 後縦靱帯骨化症
- 骨折を伴う骨粗鬆症
- 初老期における認知症
- 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病
- 脊髄小脳変性症
- 脊柱管狭窄症
- 早老症
- 多系統萎縮症
- 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
- 脳血管疾患
- 閉塞性動脈硬化症
- 慢性閉塞性肺疾患
- 両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
引用元:厚生労働省
上記にある第1号被保険者か第2号被保険者が介護保険を受ける対象になるのが前提になります。
ちなみに介護保険被保険者証は、65歳の誕生月に市区町村より交付されます。
更に介護保険サービスを利用する場合には、対象となる要介護認定を受けるための手続きが必要になります。
要支援・要介護とは?
上記の対象者であるという事を前提にし、サービスを受けるには更に要介護認定が必要です。
要介護認定とは、介護保険サービスの利用希望者に対して「どのような介護が、どの程度必要か」を判定するためのものです。
認定される区分は、要支援が1〜2、要介護は1〜5まであり合計7段階によって決められています。
要支援1が一番自立度が高く、要介護5が一番自立度が低いです。(認知症等も含まれます)
目安としては一番軽い認定の要支援1は日常生活の基本的なことは、ほとんど自分で行うことができる方です。適切な介護サービスを受けることによって、要介護状態になるのを予防できると考えられています。
一番重い認定の要介護5は要介護状態において、最も重度な状態です。一人で日常生活を送ることがほぼできず、食事や排せつのほか、着替え、寝返りなど、あらゆる場面で介護が必要とされます。いわゆる寝たきりの方になります。
ではこのような要支援・要介護認定をどのように決めるかというと認定調査という仕組みがあります。
認定調査の手順
- お住まいの市区町村の介護保険担当窓口で申請することから始めます。
- 役所の窓口で日程調整をします。
- 役所から任命された認定調査員が自宅に来てご本人の日常生活の状況、身体機能のチェックを行います。
- 「要介護状態である」という認定結果が出るまでにおよそ1か月程度かかります。
という流れになりますね。
介護認定で要介護1~5よりも介護度が軽い場合、要支援1または2という認定になる事があります。
ですがここで注意しなくてはいけないのは『要介護1〜5』に認定されないと介護保険(介護給付)は受けられないということです。
要支援1〜2の認定になったら
では要支援になったらサービスを受けられないのかというとそんなことはありません。
しかし要支援の支給限度額は、要介護の場合よりは低く設定されています。
『要支援1〜2』になると予防給付という対象になります。
要支援1や2の方は少し支援すれば自立して生活できる人という判定なので、これから要介護にならないようにように予防給付というサービスになってしまいます。
予防給付でも訪問介護や、デイサービス、一部の福祉用具のレンタルや住宅改修などが利用できます。
自己負担も1割~3割で同じです。
文面だけだと分かりにくいと思うので要支援が出た場合は地域包括支援センターに相談することをオススメします。
要介護1〜5の認定になったら
要介護認定になったらまずはケアマネジャーに相談します。
これは自分が住んでいる市役所に福祉課があるので、そこへ尋ねるのが手っ取り早いと思います。
このケアマネージャーがケアプランというものを作ってくれます。
※ケアプランとは?
利用者様の状況や要望にもとづいて「これからどのような生活を送りたいか」などの目標を設定し、その目標にむけて利用するサービスの種類や頻度を決めた利用計画書のことです。
このケアプランというものが今後、サービスを受ける方の指標になります。
ケアマネジャーは本人の希望を聞きながら作成します。さらに、人だけではなく、介護されているご家族の相談も聞いてくれます。
そうしてケアプランが決まると、いよいよそれに基づいてサービスが受けられます。
介護保険はどういうサービスが受けられるの?
じゃあ介護保険によってどの様なサービスが受けられるの?という話になりますが、居宅サービスというものが受けられます。
居宅サービスの中にも色々な種類があり、紹介していきますね。
- 訪問介護
- デイサービス
- ショートステイ
- 入所サービス
主にこの四つのサービスが受けられます。
次にこのサービスは一体どういった内容なのかを説明していきます。
訪問介護
- 生活援助(掃除や洗濯、買い物や調理など)
- 身体介護(入浴や排せつのお世話)
- 訪問看護(医師の指示のもと、看護師が健康チェックや、療養上の世話など)
- 訪問入浴介護(自宅に浴槽を持ち込み入浴介助を受ける)
- 訪問リハビリテーション(リハビリの専門家に訪問してもらい、自宅でリハビリを受ける)
- 居宅療養管理指導(医師、歯科医師、薬剤師、栄養士などに訪問してもらい、療養上の管理・指導を受ける)
- 定期巡回・随時対応型訪問介護看護(24時間対応型の訪問介護・訪問看護サービス)
ですね。細かく意外と細かく分かれていて分かりにくいと思いますが、要するに家にヘルパー(介護士)が来てくれて身の回りのお世話をしてくれると考えて相違ないと思います。
デイサービス
- 食事や入浴などの支援や、心身の機能を維持・向上するためのリハビリやレク、「おいしく、楽しく、安全に食べる」ための、口腔清掃や口唇・舌の機能訓練などを日帰りで行う
- デイケア(施設や病院などで、日常生活の自立のために理学療法士、作業療法士などがリハビリを行う)
- 認知症対応型通所介護(認知症と診断された高齢者が利用するデイサービス)
ですね。要するに、日帰りで利用できる商業施設みたいなものですね。
更にショートステイ(施設などに短期間宿泊して、食事や入浴などの支援や、心身の機能を維持・向上するためのリハビリの支援など。家族の介護負担軽減や施設入居準備などに利用できる)
と言った、何泊か限定で利用できるサービスもあります。
以上が介護保険によって在宅にいながら受けられるサービス内容です。
在宅だけでなく各種、介護施設に入所するサービスも受けられます。
- 特別養護老人ホーム(特養)
- 介護老人保健施設(老健)
といった施設に入所することもできます。
更に余談ですが、車椅子など福祉用具を借りれるサービスも受けることができます。住宅改修なども(バリアフリー)なども負担してくれる場合もあるため、そちらを考えている方へ
介護保険における住宅改修
自己負担について
再三になりますが介護保険は必要な人が使えるように、保険料と税金で運営されています。そして所得に応じて1割から3割の自己負担があります。
前は一律、1割だったそうですが、現在は所得に応じて1割~3割負担となってるそうです。少しずつではありますが制度の改善が行われてはいますが、やはり無限にお金を出してくれるわけはありません。
介護保険を受けられたからと言って料金の全額負担は難しいです。
なので、しっかりとしたご家族の収入に応じたサービスを受ける事をお勧めします
細かい料金表などの参考リンクはこちら
料金表について
サービスの限界
サービスを受けるのには限界があります。前述しましたが一番の理由は金銭面です。
金銭にいくら余裕があっても毎月毎月出ていくお金が多かったら、今度は自分達の生活が厳しくなってしまいますよね。
なので、少しでもお金を浮かせたりするにはやはり自分で介護をする事が一番いいと思います。
正直な話をすると身内の介護は抵抗のある人の方が多いと思います。
技術面ももちろんですが、精神面で苦労することもあると思います。
まず最初になにをするべきかなど技術においての不安もあるかもしれません。
その場合はこの記事をご覧ください。
更に介護に興味が湧いたら未経験でも就職できる記事も書いているのでご参考にしてください。
実際に少しでも行うと、見えてくる部分もあると思います。
https://kamatarikun.net/2020/04/06/care-job-change/
最後に
介護保険は今提示したサービスが全てではありません。
色々な形のサービスが生まれています。
また介護保険制度は3年単位で変わっていきます。
サービスの内容や給付金に対して不満を持つ方も必ずいると思います。
しかし介護業界も日進月歩、日々改良され見直されています。
情報が必要な方の、少しでも力になれたなら幸いです。