介護職の人手不足は言わずとしれた事。
2025年には超高齢化社会に突入し、介護職の需要と供給が間に合わないとニュースでもよく取り上げられたりしていますよね。
実際にどのくらい介護職が足りないのかというと、およそ34〜8万人にも上ると言われています。
このままでは2025年には、街は路頭に迷う高齢者で溢れかえってしまうことでしょう。
そうした問題の解決策として国が考えたのが、「外国人を介護職として迎え入れる」という策です。
日本だけだとちょっと厳しいから、外国人に補ってもらおう!ってことですね。
しかし、介護職として働いている方なら、誰もがこう考えると思います。
そう。そうなんですよ。
工場のライン生産のようにマニュアル化された業務をこなすなら、言語の壁は関係ありません。
しかし、介護職は対人の仕事。仕事内容が場面によって変わる抽象的な業務がかなり多い。
なので上記のような疑問が生まれるのは当然なんですね。
ぶっちゃけ一緒に働くのは不安…という方もいるハズ。
というか、以前の僕もそうでした(笑)
ですが、時代の流れには逆らえません。
人手不足を解消するために、今では介護職として外国人労働者の方と一緒に働いています。
なので本記事では、以前の僕のように不安になっている方のために、外国人の方と働いてみて感じたメリット・デメリットを解説していきます。
近い将来、あなたも必ず一緒に働くことになると思います。なので、この記事を読んで少しでも参考になればと思います。
では早速解説していきますね〜!
外国人労働者が、介護職として働いた際の現場のメリット・デメリット
そもそもですが、外国人労働者が介護職として働き、日本に住むためには「在留資格:介護」を取得しなくてはなりません。
在留資格とは簡潔に言うと、外国人が日本に在留する間に必要な資格。この資格を有していれば、一定の身分や地位を有する者としての活動を行うことが可能になります。
2017年よりこの制度ができ、取得すれば半永久的に日本に住み続けることがOKに。
外国人労働者には2パターン存在する
介護職としての外国人労働者を、わかりやすくすると下記の通り。
- 在留資格:介護を取得している→介護職として働ける
- 在留資格:介護を取得していない→まずは技能実習生として働く
この2パターンです。
在留資格:介護を取得している場合
在留資格:介護を取得している外国人は介護福祉士の資格も取得しています。
なぜなら、介護福祉士を取得することが在留資格を取得する条件だから。
実は、今までにも介護の在留資格自体はありました。
それが「EPA介護福祉士候補者」「技能実習生」「特定技能」の、3つですね。
しかし、どの資格を取得しても日本に住み続けることは困難でした。
ですが、在留資格:介護は違います。
在留資格:介護は、取得することで日本での半永住権を取得することが可能になります。
日本語に少しの違和感はあるものの、ほぼ完璧にマスターしています。
日本語ペラペラってやつですね。なので、一種に働きやすい。
在留資格:介護を取得していない場合
在留資格を取得していない場合は、「技能実習生」として入国・入社してきます。
技能実習生としての主な流れはこんな感じ。
- 技能実習生として入国
- 介護施設で3年以上就労・研修
- 介護福祉士を取得する
- 介護施設と新たに雇用契約
- 就労開始
前述しましたが「在留資格:介護」を取得するために、最も重要な条件。それが「介護福祉士を取得する」コトです。
そのために、3年以上就労・研修を受けます。
僕ら日本人が介護福祉士を取得する際の、「実務経験ルート」に似てますよね。
実務経験ルートって何?って方はこちらの記事をどうぞ。
<<介護福祉士の資格ってどうやって取るの?効率よく取る方法とは?
僕ら日本人でも、介護福祉士の資格を取得するのは大変です。
それに加え、日本語も勉強しなくてはならないため、かなりハードモードだと思います…。
なので技能実習生が自分に付いて研修する場合、介助や日本語の意味などのフォローや教育は必要不可欠デス。
外国人労働者が介護職として働くメリット
しかし、在留資格:介護を取得している外国人は、現段階ではほぼいません。おそらく技能実習生がほとんどです。
なので、以下より「技能実習生が入社してきた場合のメリット・デメリット」を記していきますね。
では本題ですが、日本語がまだまだ拙い技能実習生と働くメリットはあるのか?
結論から述べると、残念ながらメリットは何も感じません…。
言語の壁はもちろんのこと、国が違ければ文化も違います。
なので、まずは「日本人」を理解してもらうことから始めなくてはなりません。
厳しいことを言うようですが、大変なことの方が多いですね。
期待していた方は、スミマセン…。
とはいえ、それは短期的な目線の話。長期的な目線でのメリットは多くあります。
具体的に主に感じるメリットは3つ。
- 未来の雇用に繋がる
- 利用者の刺激になる
- 自分自身の指導力がアップ
ちょっと説明させてくださいね。
メリット①未来の雇用に繋がる
外国人を採用するメリットの一つは、未来の雇用に繋がるコトです。
外国人を受け入れる目的はやはり「人手不足の解消」です。
技能実習生として働き、そのままその施設に入職というパターンが多いと思います。
5年後には、外国人労働者の割合の方が多いなんて施設も出てくるかもしれませんね。
例えるなら、東京の新大久保みたいな感じ。介護職もグローバル化ですね。
メリット②利用者の刺激になる
2つ目のメリットは、利用者の刺激になる点。
現在の利用者の世代では、外国人と交流する機会はほぼありませんでしたよね。
なので、利用者にとっては全てが新しい体験になります。
言語や価値観、食事etc…。
介護職の中にはあまり外国人と接点を持たない方が…という意見の方も多いカモ。
僕も少しそう思っていました。ですが実際は、利用者から技能実習生に話しかけに行っているのをよく見かけたりします。
もちろん言葉使い等、注意する部分はありますが、利用者のマンネリ化してしまった生活にちょうどいいエッセンスになりえますね。
メリット③自分自身の指導力がアップ
そして最後に感じるメリットは、自分自身の指導力のアップが見込めるという点。
よく人に教えるのが苦手という方がいますよね。
恐らく、教えるのが苦手な方は「なんで言ったことが伝わらないんだろう?」と思った経験が多いハズ。
それは結論として、相手の立場からの思考になっていないからです。
例えば車の運転のような感じ。
最初は指導されて運転していたのに、慣れたら無意識的に運転していますよね。
その慣れた運転技術を、言葉にして説明するのって難しくないですか。
介護職も同様です。自然に体に染み込んだ介助をしてしまっていると、いざ教えようとなった際にはどう伝えていいかわからないんです。
自分のやっていたことを、伝えるために咀嚼し、理解し直すのは本質的な理解にも繋がります。
…偉そうなことを言ってスミマセン。
ですがこれはかなりのアドバンテージなのではないかと、実際に一緒に働いてみて感じています。
外国人労働者が介護職として働くデメリット
しかし、やはりと言いますが外国人労働者を採用してデメリットも感じることは否めません。
僕が実際に働いてみて感じたデメリットは、以下の通り。
- 指導方法がわからない
- 外国人労働者同士が固まる
大きく分けてこの2つです。
デメリット①指導方法がわからない
誰もが思いつくデメリット、それは指導方法がわからないという点です。
技能実習生に対して指導してきた介護職は、数少ないハズ。
その為、価値観や介助から教えた方がいいのか、はたまた日本語から教えた方がいいのか。
誰も指導方法がわからず、手探りで最初は指導していきます。
なので、指導内容を統一するなど、現場でのすり合わせが必要不可欠になってくる。
メリットでは指導力がアップすると書きましたが、それは指導自体が難しいからとも言えます。
ゲームと同じで、難易度を高くしたら上手くなるみたいな感じですね(笑)
デメリット②外国人労働者同士が固まる
外国人労働者が同じ施設に何人もいると、業務をせず外国人労働者同士で固まって話をしてしまいます。
国が違うと、ワークスタイルも違います。
外国では、働いている最中に携帯をいじったり話したりするのが普通の国もあるぐらいです(笑)
そのぐらい日本から見たらユルイんですね。
なので同郷の技能実習生がいると、ついつい私語が多くなってしまいます。
しかも、母国語で。
そうすると、彼らの日本語が上達しないのもちろんのこと、利用者に悪影響を及ぼしかねません。
例えば、以下のように考えてしまう利用者も。
誰も固まってヒソヒソ話をされていたら、いい気持ちにはなりませんよね。
なので、あなたが一緒に技能実習生と働く際には、その点を注意してみてくださいね。
外国人の介護職:まとめ
本記事では介護職における外国人労働者について書きました。
しかし、ここまで読んでくださった方は、少なからずこう思ってしまったハズ。
事実、現場ではそういった声の方が多かったりします。
ですが短期的な目線ではなく、少しだけ長期的な目線で見ることをオススメします。
もしかしたら未来の介護士として、僕ら介護してくれるのは外国人労働者かもしれないのですから。
では今回はこの辺で。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました!