このような疑問に答えます。
介護職において『コミュニケーション能力』は重要なスキルの一つ。
利用者とのコミュニケーションを上手く取ることで、信頼関係を築くことが出来ます。
しかし、同じ介護職でもコミュニケーションが『上手い人』、『苦手な人』で分かれますよね。
実際に介護職として経験が浅い頃、僕は『苦手な人』の部類でした。
僕は当時
と、コミュニケーション能力は元々の性格や人柄によるものだと思っていました。
ですが、介護職を続けているうちにそうではないことがわかってきました。
本記事ではコミュニケーションが苦手な僕が、利用者と上手くコミュニケーションを取れるようになった方法をまとめています。
本記事を読めば、実践的なコミュニケーションを理解することができます。
また、あなたが『なるほどね、ちょっとやってみようかな』と、明日から実践できる手法を紹介していきます。
僕は現役の介護福祉士として働いて7年目になります。Twitterかまたり(@kamatarikun)
様々な施設での経験があります。詳しくは➡︎プロフィールへ。
コミュニケーションの手法
では、早速僕が実際に意識している手法をお伝え…したいところなんですが少々お待ちください。
コツの前に、コミュニケーションを取る際の基本をおさらいしておきます。やはり基礎があってこそのコツ。
最初に基礎を伝えさせてくださると助かります。
コミュニケーションの基礎、それは
傾聴・受容・共感です。
傾聴・受容・共感とは?

傾聴・受容・共感とは、難しく聞こえますが普段コミュニケーションを取る際に何気なく行っていること。
特に『聞き上手』の方は、無意識に行っていることだと思います。
詳しく書くと、
- 傾聴:相手の気持ちを聞くこと
- 受容:その気持ちを受け止めること
- 共感:受け止めた気持ちに共感すること
こんな感じですね。これがコミュニケーションの基礎中の基礎。
例えばですが、
という、何気ない一言にも
と、なります。
これを意識するだけでかなり『聞き上手』っぽい(笑)。
ポイントは『必ず最初に否定はしないこと』です。
僕の知り合いにもいますが、何でもかんでも『否定』から入ってくる人とはなんだか話にくいですよね。
まずは『話を聞くこと』を前提に会話を広げることが大切です。
否定表現と肯定表現
ここで少し深掘りすると、否定表現と肯定表現というものがあります。
具体的には
- 否定表現:朝の8時には起きてもらわないと、困ります。
- 肯定表現:朝の8時に起きてくださると、助かります。
という感じ。
どちらの方が言われて心地がいいかは明白ですよね。否定表現の方は上から目線にも取れてしまいます。
利用者に何かを伝えるときはなるべく『肯定表現』で伝えようにするのも、お互い気持ちの良い会話のためにも必要です。
自己開示もしよう
とはいえ、傾聴・受容・共感はあくまで基礎。
教科書通りなので、まだ利用者が深く信用してくれない場合もあります。
その場合はさらに自己開示をすると良いと言えます。
自己開示とは、自分の情報を伝えることです。
- 自分の好きな食べ物
- 自分の趣味
- 自分の過去
などなど。
相手に『この人はこういう人なんだ』と、知ってもらうことによって信頼や安心をしてもらえます。
一例ですが、先ほどの傾聴・受容・共感プラス自己開示だとこのような感じですね。
この時に、自分のことを最優先に伝えてはいけません。利用者:8自分:2くらいの割合でOK
相手の名刺をもらうには、自分の名刺を渡さないと信用してもらえません。
『自分』を伝えることで『この人なら信用出来る』と思ってもらいやすくなります。
利用者の意見に同調するような形で、自己開示をすることを意識しましょう。
『実践的』なコミュニケーションの方法

そうなんですよね、実際に教科書や参考書などには上記の内容は載っています。
ですが、なかなかその通りに上手くコミュニケーションを取れるようになるかと言ったら、そんなことはないですよね。
前置きが長くなりましたが、実践的なコミュニケーション技術とはこの三つのポイントになります。
- 抑揚、表情
- 非言語的コミュニケーション
- 登場人物を把握
ですね。順に解説していきます。
抑揚と表情はマジで大切
抑揚や表情をつけることが出来るのは『会話』において最大の利点です。
なぜなら『会話』は、ほぼ抑揚と表情で成り立っているから。
皆さんも経験あると思いますが、普段の会話をLINEで送る時、どうしてもニュアンスが伝わりにくい時ってありますよね。
それは普段行っている『会話』を、抑揚や表情で補助しているからなんです。
そんな文字でニュアンスが伝わりにくい時はどうするか?僕らは抑揚や表情を、絵文字で表します。
例えば何気ないやりとりでも
だけだと、命令的に感じますが、
だと、困っていて『お願いされている感じ』がしますよね。
絵文字は会話の『抑揚や表情』を表現するのに作られたというワケです。
そのぐらい抑揚や表情は、相手に正しく伝えるためにもとても必要なものなんです。
楽しい会話には、楽しそうな表情と声の抑揚を付けるように、コミュニケーションの際には意識して会話以外の部分でも伝えていきましょう。
非言語的コミュニケーションを駆使しよう
非言語コミュニケーションとは、
- 姿勢
- 目線
- 動作
などを言います。
ちなみに、言葉は『言語的コミュニケーション』。声の強弱や話す速度などを、『準言語的コミュニケーション』といいます。
これ、すごく自然にできているのはいわゆる『モテる男』
モテる男って女性の会話を聞く時に体で表すんですよね。
女性が話したいことや相談をしている時に、必ず体を女性側へ向けて前傾姿勢で話を聞いています。
そうすると女性は
となり、好意を抱かれやすくなるんです。
つまりあなたの話に興味がありますよ、を言語ではない部分で表現しているというワケ。
これが『斜めに体を向きながら、足を組んで話を聞く』のでは話を訊こうとしていないと、相手は捉えてしまいます。
異性でなくても『話をしっかり聞いてくれる人』は好感を抱かれやすいです。利用者が話しやすいように体でも表現すると自然と話しやすい印象になることが出来ます。
登場人物を把握しよう

しかし利用者によってはコミュニケーションが取りにくい場合もありますよね。
具体的にはアルツハイマー型認知症の利用者や、失語症の利用者との会話の際ですね。要するに利用者側が会話が困難なケース。
僕はそのような利用者の方との会話では登場人物を把握する、ことを意識しています。
先に挙げた症状の利用者の頭の中には、「言葉の意味」も「物の意味」も残っています。
ですが会話の際にそれらがうまく結びつかないせいで、会話が難しい状態になっています。
いわば、言葉のコードが断線している状態。
なので絡み合っているコードは使わずに、使えるコードを使っていく。
それが『登場人物を把握する』です。
例えば、
という、会話の内容の『中島さん』に注目しましょう。この利用者が、仮に夜間徘徊でなかなか寝ようとしようとしなかった際には
というと、すんなり受け入れてくれます。利用者からしたら、使えないコードで話されているのは外国語と同じです。
なので使えるコードを起点に話すと、会話の意味が通りやすいです。その一番いい指標になるのが『登場人物』というワケですね。
まとめ:コミュニケーションとは?

これは僕が介護職で勤めてきた中での『実践的な手法』です。
会話が苦手な僕は、会話以外の部分に意識を向けてみたら会話がうまくいくようになりました。
なのでコミュニケーションは元々の性格や人柄で決まるのではなく、相手が話しやすいようにすることが重要なのだと気づいたんです。
コミュニケーションの手法は様々だと思います。例えばジェスチャーも有効ですよね。
介護職を長く勤めている方にはこのような『手法』があると思います。
僕はSNSもやっているので、皆さんの『コミュニケーション手法』を教えてくれると自分もまだまだ勉強中なので嬉しいです。
この記事が明日からのあなたの参考になれたら嬉しいです。
『声かけからわからん!』という方はこちらを参考にしてください➡︎『介護の基本』利用者への声かけの3つのコツとは?
では、ここまで読んでくださりありがとうございましたm(_ _)m!